醜いアヒルの子と生物学

 むかぁしむかしあるところに、アヒルの4兄弟がおりました。
 この4羽同じ親から生れたはずなのですが、上から3羽は白い毛なのに末っ子だけは黒。そのせいで末っ子は、兄弟からはいじめられ、母親からも無視されてしまう始末。早い話が孵化して3週間でグレてしまったのです。そんな状況にいたら大抵はそうなりますよね?
 そんな、損な末っ子は、巣にいるのが辛くいつも池の周りをふらついていました。
「なんで・・・なんで僕だけ羽が黒いんだ!!」
 そうつぶやいてみると、
「それは君の遺伝子情報が違うからじゃないのかい?」
末っ子が見上げてみると、そこには丸眼鏡をかけた修道士の服の男が立っていました。末っ子は思い出しました。
(あぁ・・・いつも修道院で、エンドウマメばっかり育ててる変な人だ)
 末っ子のことは気にせず、修道士は語りだします。
「いいかい、そもそも遺伝子というのはだね・・・」
 それから末っ子は、遺伝子についての集中講義を受け、兄弟と母親を論破しにかかりました。話しているときの末っ子はやたら饒舌で、兄弟と母親は多様性の大切さを認め、死ぬまで仲良く暮らしましたとさ。
 めでたしめでたし
 おしまい

醜いアヒルの子と生物学

醜いアヒルの子と生物学

こんな醜いアヒルの子は嫌だ。末っ子に講義するメ○デルの姿が浮かびます。初めてで拙い文章ですがよろしくおねがいします。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-17

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