誰が小鳥を殺したか

誰が小鳥を殺したか

穏やかな目をした小鳥飛んできた
肩に止まって鳴いていた
美しい声
優しい重み
小鳥は愛を教えてくれた

その頃夢のために生き
小鳥は夜もひとりきり
最後にここへ帰って来れば
良いと時には子守唄
歌ってくれた愛する小鳥

時は流れて膨らむ小鳥
ギラギラ光る目を開き
鋭い羽の鷲になり
「あの頃の君と同じ」と
夢を追うため飛び立った

夢に喰われて倒れた私
幸せは目に見えないことを
知っていたのに体験を
するまで学べない愚かさを
泣いてもかえらない盆の水

誰が小鳥を殺したか

私は小鳥
かなしい小鳥
飛べず歌えず潰れた胸を
抱えて地べた這いずっている

比翼の鳥を殺した罪で
涙も許されることはない

誰が小鳥を殺したか

誰が小鳥を殺したか

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-16

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