パノプティコン

燻む感傷は獰猛な獣となって
私を捕食しに来るだろう、
私に復讐しに来るだろう。

冷徹にみえる眸の奥には
言語を絶する怨恨が息を潜めている、
想像を絶する実刑が用意されている。

私は気が狂って叫ぶだろう​───
早く殺してくれ、と。
だが、それが承認されることはなく
〈体制〉は私が壊れていく姿をみて愉しんでいる…。

救いを必要としない人間になりたかった
生に於ける救済は万人に
平等に分配されていないから。

私は贄で構わない、だが
上手くやってくれよ。
理不尽に救われてしまう人が
くれぐれもいないように。

パノプティコン

パノプティコン

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-13

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