パノプティコン
燻む感傷は獰猛な獣となって
私を捕食しに来るだろう、
私に復讐しに来るだろう。
冷徹にみえる眸の奥には
言語を絶する怨恨が息を潜めている、
想像を絶する実刑が用意されている。
私は気が狂って叫ぶだろう───
早く殺してくれ、と。
だが、それが承認されることはなく
〈体制〉は私が壊れていく姿をみて愉しんでいる…。
救いを必要としない人間になりたかった
生に於ける救済は万人に
平等に分配されていないから。
私は贄で構わない、だが
上手くやってくれよ。
理不尽に救われてしまう人が
くれぐれもいないように。
パノプティコン