網笠茸-幻想私小説2

網笠茸-幻想私小説2

夢物語です。縦書きでお読みください。


 吾はみたらし団子の上にいる。海葡萄の精になり、女の子に喰われちまったのまでは覚えている。どうやら、その娘が団子をかじったようだ。団子のタレがすーっと糸を引いて地面に垂れた。吾は土の上に落ちて、真っ青に晴れ上がった山の中にいた。前を団子を持った女の二人連れが登っていく。
 五月の連休だろう。昔のように高尾山の中腹を登っている。これもいつものように、緑色のヤッケを着て、茶色の皮製のショルダーを左肩にかけ、写真機を持っている。高校生の時に買ってもらったミノルタSR7だ。三十になった頃の吾である。
 神社までもうちょっとのところである。道の脇の土の窪みに網傘茸が生えている。目立たないところで、茸の好きな人でないと気が付かないだろう。
 カメラを構えて、近づいてみた。不思議な形をした網笠茸だ。一本の茎から八本頭を出している。こんなのは始めてだ。
 柄に尖った編笠が乗っかったような茸である。この茸はフランスではモレーユといって、とても好まれているものである。シチュウに入れてもよし、バター炒めもよし、なかなか高価なものだ。仏蘭西のルアンに行った時に乾燥した網笠茸を売っていて買って帰ってきたことがあった。日本でも食用ということは知られているが、特に好まれているわけではない。家の近所でも見かけたことがある。近くの家の玄関前の砂利から二つ顔を出していたこともあるし、近くの熊野神社の石段脇にどっさりと生えたこともある。採ってきて食べた。
 この珍しい編笠茸を写真に収め、さて、もって帰ろうかどうしようか考えていると、声が聞こえた。
 「喰うな」
 網傘茸が言った。
 こんな旨いものどうしてだろう。そう考えて手を伸ばしたら、ちくんと中指の先に何かが刺さった。
 「採るな」
 また声がした。みると、網傘茸の枝分かれしたところから、座頭虫が歯をむき出している。と思ったのは間違っていた。座頭虫は吾に驚き逃げていった。
 ちっちゃな動物が網笠茸の上に乗っている。
 よく見ると、天狗だ。網傘茸の上で、下駄を履いて、うちわを持っているが何かもじもじしている。ちっちゃいな。でも高尾山の天狗か。
 「喰うな」
 天狗は憮然とした顔で繰り返した。
 喰いたいが、持ち主がいたとは知らぬことであった、許せよ。
 と口には出さないが思うと、それが通じたようだ、天狗はほっとした顔になった。
 「網笠茸を喰いたけりゃ、ちょっと上ると、右に行く横道があるから、そこから八山にいけば、中腹の八山神社にたくさん生えてる」
 天狗は結構親切である。
 この網傘茸は天狗にとって大事なものらしい。しかし、こんなに人通りのあるところに出ていたのでは、吾が採らなくても、いずれ誰かが見つけるだろう。
 カメラを向けると、
 「しかたないんだ」
 そう言いながら、天狗は網傘茸の間にもぐりこんでしまった。一体どこに入っていったのだろう。
 この網笠茸は天狗の住処なのかもしれないし、他に事情があるのだろう。特にこの茸を食べたいというほどのことでもない。しかし、高尾山に八山などという山があっただろうか。聞いたことがない。
 夢の中の気ままな山歩きだから行ってみることにしよう。
 吾が登っていくと、ちょっと行ったところに、確かに右に折れる山道があった。林の間の下り道だ。背の高い杉の木が立ち並ぶ中を降りていくと、分かれ道なった。
 標識に八山と七山とある。高尾山には何度も来たのだが、このようなところがあったとは知らなかった。天狗に教わったとおり八山のほうに足を向けた。今度は上りになる。山の頂は林に隠れてよくわからない。
 とぼとぼと歩いていくと、いきなり道を横切った動物がいる。
 「気をつけろい」
 真っ白なその動物は乱暴な言葉をかけていっちまった。
 なんだあいつは、昔かっていたうちの猫の白に似ているが。白は真っ白な雄猫で、鼻が利かず、かなり乱暴ものだった。しかし、晩年はおっとりふっくらし、それは甘えったれで、十まで生きて、自然死を迎えた。
 「あんただったか、久しぶりだ」
 驚いて振り向くと、吾の後ろに猫の白が二本足でおちゃんこしている。
 「なんでこんなところにいるのだ」
 「高尾のあんたの墓に俺の骨が一つ埋められたろう」
そういえば我が家の墓は高尾のあづさ霊園だ。黒大理石のまん丸な石の真ん中にメビウスの輪が刻まれている。一緒に暮らした五匹の猫たちの骨の一部もそこにはいっている。
 「網傘茸かい、あんたは昔から茸が好きだったなあ」
 白が感慨深そうに言う。ちゃんと見ていたのだなあ。
 「あのころは悪かったなあ、白黒のミーちゃんを追いかけ怪我をさせ、あのデブのグレーに噛み付き、今じゃ、すこしゃ反省しているさ」
 そう、あの頃の白は乱暴で、もともと我が家の土地にいついていた白黒の野良の雌猫を追い出し、死なせた。グレーの雄猫は白とさほど違わない年下で、外では一緒に遊んでいたのに、グレーが大風邪をひいて、我が家で数日療養していた後に、おそらく自分の地位の危なさを感じたのであろう、噛み付き怪我をさせたのだ。
 「生きるためにそうなったんだよな」
 白は我が家に来たときには中に入りたくて、網戸によじ登ったり、玄関の戸をかじったり、大変なアピールの連続だった。うちには三匹の猫がいたのだが、蛍という三毛猫が十八で死に、小春と名付けた三毛猫が二十歳で死んだばかりで、黒一匹が残っていた。黒はおっとりした不思議な雌猫で、その猫のことも考え、白を家の中に入れるのを躊躇していた。
 軽子が飼いたがった。それで、目も悪いし、根性も曲がったこの猫を飼うことにした。その後、反省の色もなく、我々には甘えても、周りの野良猫には意地悪をした。それが晩年になると、おとなしくなり、前の家の雄の子猫を連れてきて、兄貴風を吹かせて、可愛がっていたのにはおどろいた。その猫はとうとう吾の家の猫になってしまって、腎と名付けられた。
 白も年取ったんだ。
 「網傘茸のところに案内するよ」
 白がそう言ったところに「兄ちゃん、おいらもいくよ」
 と後ろのほうから駆けてきた猫がいる。
 「腎じゃないか」
  鼻の頭を蚊に喰われ、黒ぼちぼちにした若い雄猫が現れた。腎は前の家の九十を過ぎたおばあさんの猫で、ミーちゃんと呼ばれていた。子猫の時に白が我家に連れてきてからは、ほとんどうちで大きくなった。おばあさんがなくなった後、正式に我家の猫になったのである。外歩きが好きで、夏などはほとんど家に帰ってこない。ねずみやモグラ、それに鳥もよく捕ってきた。すぐ噛み付く猫である。
 「すんません」
 腎がくるっと、後ろを向いて反省した。腰の左右二つの黒い模様がもにょっと動いた。なつかしいね。その模様が腎臓のようなので、腎と名付けたのである。
 「猫だからしかたがないよ」
 「うん」
  素直な猫である。こっちを向いてほーっとした顔をした。
  家の周りで誰にでも可愛がられるいい猫だった。二十三と長生きをして老衰で死んだ。
  白が「腎、いくぞ」
  と声をかけた。
  腎が若い頃のように白の後について歩き始めた。 
  白は前と変わらずに、おなかをゆらせて、しかし、シルクのような真っ白な短い毛を光らせて、歩き始めた。白熊みたいなかっこうだ。
 吾は感慨深い思いで白のすっきりと伸びた尾っぽを見ながら歩き始めた。
  こいつはお稲荷さんの白狐ではないんか。
 「南平の駅からちょっと行ったところのお稲荷さんのな」
  歩きながら白が答えた。
 「やっぱりそうか」
  あのお稲荷さんの真ん中にある桜がすごい。枝はバランスよくお稲荷さんを覆い、咲いたときの見事なこと。
 「狐がどうしてうちに来た」
 「ちょっとな、修行にいったのだ」
 我が家に修行とはどういうことなのだろう。
 「おかしなファミリーに影響されてこいと、高尾の天狗にいわれたのだ」
 「おいらも、そうなんだ」
  腎までもそう言った。
 「腎も高尾の天狗に言われたのか」
 「うん、可笑しなファミリーのところにいけといわれた」
  白は「おかしな」だったが、腎は「可笑しな」である。ちょっと意味が違うような感じもする。
 「天狗にはさっき会ったぞ」
 「どこでだい」
 「八山に行く横道よりちょっと下で、八本頭の網笠茸が生えていて、そこにいた」
 「あの天狗はな、まじめな落ちこぼれで、もう五百年も生きているのだが、まだ卵も産めないのだよ」
 歩きがなら白が言ったことはこういうことだ。
 網傘茸のところで会った天狗は女性だそうだ。
 天狗も大変な生き物で、爬虫類、鳥類と進化してきたその先の生きもののようだ。確かに、人の世界では架空の生き物というより人を超えた神に近いものとして考えられているではないか。
 ところが、本当の天狗は苦労しているようだ。まず、繁殖である。繁殖というとなんとなく天狗が怒るな。子作りがうまくいっていない。
 まず、鳥類には大脳新皮質はないとされるが、それも芽生えに相当する神経組織がある。天狗の脳ではその組織はあらたな神通力といわれる力を持った、いうなら感をつかさどる神経系に発達したそうである。哺乳類から発達した新皮質はいろいろな感覚を統御し言葉を作り出す能力を備えた。ところが、天狗の脳は感、第六感を発達させたということらしい。将来を見通せる力である。
 「そんなにすごいものではないけれどな」
 白はそう言った。
 そんな大脳皮質の発達した一方、子どもを生む能力が低くなったそうだ。なぜか、そこに、網傘茸が関係してくる。
 知らなかったことだが、高尾の天狗の主食は網傘茸だそうだ。網傘茸を春に少なくとも一本は食べないと命がないそうだ。女性の天狗は八十歳くらいで初潮を向かえ、八百八十八歳の平均寿命を生き抜く際に、卵を平均百八個ほど産むそうな。しかし、なぜか、人間の世界と離れることができないそうだ。八本の傘を持った網傘茸のもとで、八人の人間と話しをしないと、脳が子供を産むモードになってくれないということだ。脳に人間の声が入ると卵を産む神経回路が働くのだそうだ。なんでも、年にこの時期、子供を産むモードになれるのは多くて十人ほどなのだそうだ。
 そんな話を聴きながら、八山の中腹に来た。
「そこが八山神社だ。また会えるさ」
 白が、ぴょんと跳ねると、ニャアともコンとも言うような声を出して、突如に消失した。
 腎は吾を見て言った。
 「おいらも消えるが、あんたも夢を楽しんでな、高尾山の中なら腎とよんでくれりゃ出てくるよ、白の兄さんも同じ、白と呼べば出てくるよ」
 そう言うと、後ろを向いて、左右の黒い模様をもぞもぞさせると、ニャアゴとも、チュウとも言う声をだしてスッと消えた。あいつは大国ネズミかなんかだったのだろうか。猫のくせに。
 道を少し入ると、確かに神社というよりお堂のような建物が木々に囲まれて山の窪みに建っていた。脇には湧き水があり、小さな流れとなって道の脇を流れていく。八山神社と書かれた鳥居の回りには編笠茸が足の踏み場もないほど生えている。ほとんどは一本傘か二本傘で、八本もくっついて生えているのはない。八本頭の網笠茸を探すのは容易ではないだろう。
 お堂の周りもぎっしりと編笠茸が生えていた。
 少し風が出てきた。
 お堂の東側は草原になっており、そこには黒い網傘茸が数本集団で生えていた。その黒い編傘茸がゆらゆらと揺れている。網傘茸は地に根をしっかりと張り揺れるような茸ではないはずだ。今度はわっさわっさと音が聞こえるようになった。
 近づいた拍子に吾の靴が何かを踏んで音を立てた。その拍子に黒い網傘茸がこちらに振り向いた。
 そいつらには顔があった。網傘茸ではない。黒いマントの天狗が網傘茸を抱きかかえていたのだ。天狗たちが吾を見た。
 「おお恥しや」
 天狗たちはなぜか恥ずかしがり、これは見てはいけないものを見たのかと、ちょっと申し訳ない気がした。
 吾はお堂の前に戻った。
 風が少し強くなり、白い毛のようなものがふわふわとまってきた。だんだん多くなり、ころころとたまになって網傘茸の間をころがり、また風に乗り飛んでいく。このようなものを北京でみた。それは毛(もう)と呼ばれていて、柳の種だということをきいたが、楓の種がついているものだということもきいた。四月の頃の季節の風物だそうだ。それとそっくりなのだが、ちょっと違うところは、生臭いのだ。
「そりゃあ、修験者たちの霊魂さ」
 黒いマントを着た天狗たちが五人ほど、一列になって、吾の前に来た。さっきお堂の東側で網傘茸に抱きついていた連中だ。
 滝に打たれる修験者を見ていると悪い霊魂が乗り移るとされる。霊魂は飛ぶのだ。この白い毛のようなものは誰に見られたわけではなく、修験者たちが滝に打たれたときのしぶきに霊魂が混じり、このような白い毛のようなものになるのだそうだ。
 「我々はこの時期しか卵は産めないのだ」
 天狗たちはお堂の階段を登り、戸を開けると中に入っていった。
 吾は白い毛の降る中をもう一度、お堂の東側に行ってみた。
 天狗が抱きかかえていた網傘茸が真紅に染まっていた。いや、よく見ると、網の中にルビー色をした丸い玉が埋め込まれている。
 天狗の卵だ。
 白い毛が降りかかり、赤い網傘茸を押し包んだ。白い毛はルビー色の卵の中に吸収されていくではないか。
 修験者の魂が天狗の卵に入り込んでいく。それが、受精だということはなぜかわかった。
 あっという間であった。白い毛が吸収さえた卵がぷちっとわれ、天道虫ほどの大きさの真っ赤な小さな天狗がでてきた。網傘茸の網の中からひょこひょこと顔をだし、網傘茸を降りると、お堂の中に入っていったのだ。おそらく、お堂の中では天狗たちが赤子にお乳を吸わせていることであろう。
 特別に強い霊魂と受精した卵からかえった天狗が、大天狗になり、高尾山を守るのだそうだ。
 なぜそのようなことがわかったか、吾にはどうしてか不思議としかいえないが、いつのまにか、吾は網傘茸の窪みに入り込み、網傘茸の精になっていたのである。
 吾は網笠茸の中を歩き回ってみた。外の明かりが網笠茸の中に反射してきれいだ。どうもこの網笠茸は八本頭のようだ。八本目の頭の中に入ると、天狗が寝ている。頂上に行くところで会った天狗のようだ。
 「おい天狗さん、どうした」
 吾が声をかけると、天狗が薄目をあけた。
 「おや、さっき声をかけてくれた人じゃないか、何でここにいるんだい」
 「八山神社でお仲間のお産を見ていたら、網笠茸の精にされちまったようだ」
 「今年は何人いましたかい」
 「五人でしたな」
 「今年もまだだめだ」
 天狗がしょげている。
 「何人の人間と話したのかな」
 「三人」
 「この網笠茸が枯れたらどうするの」
 「外に出て、来年まで高尾山を歩き回って、八本頭の網笠茸がでそうなところをさがすんだ」
 「枯れるまでにあと五人の人間と話しをすれば今年に卵を産めるのかい」
 天狗はうなずいた。
 「まだ間に合うよ」
 「それじゃ、まかしときな」
 吾は「白、腎、でてきてくれ」と八本頭の網笠茸の中で叫んだ。
 すると、呼んだかい、と白と腎が八本頭の網笠茸の脇に現れた。
 そこで、吾は事情を話した。そして、網笠茸の脇でうずくまって寝ているように頼んだ。
 「寝てりゃあいいんだな、簡単のことよ、俺たちは寝子だものな」
 そう言って、二匹は網笠茸の脇で寝てしまった。
 すると、高尾山を登る人たちがみんな足を止めた。
 高尾山はミッシェランとかいう海外の雑誌に三ツ星をもらい、外人や若い人がわんさかと登るようになった。
 「猫が寝てる」
 山登りの子ずれが白と腎に気がついた。
 「ほら、人が来たよ、うまくやりなよ」
 天狗に声をかけると、天狗は網笠茸の外に出て、八つの頭をぴょんぴょんと飛んだ。
 子どもの声が聞こえる。
 「あ、天狗さんだ、今日は」
 「今日は」
 天狗はそう答えると、網笠茸の中に戻ってきた。目に涙を浮かべている。
 子どもが猫たちの頭をさすっていると、外人さんが目を留めたようだ。
 天狗はあわてて、網笠茸の外に出た」
 「おーまい、ごっど、ファット、いず、じす、すもーる、あにまる」
 外人さんのようだ。こりゃ無理だなと思ったら、天狗が、
 「ハロー、あい、あむ、てんぐ」と言っている。
 外人さんも「はろー」と答えている。
 天狗は息を切らせてもどってきた。
 「英語できるんだね」
 天狗はうなずいた。
 「世界のマウンテン、スピリッツと話をしなければならないからね」
 大したものである。
 そのあと、続々と、山登りの人たちが訪れて、天狗はあっという間に、八人目の人と話しをした。
 天狗は網笠茸の中に戻ってくると顔を真っ赤にして、壁に寄りかかった。
 『白、腎ありがとよ、もういいよ』
 吾は猫たちに声をかけた。
 白が返事をした。
 「面白いね、いろんな国の人たちが、おれたちの頭をなでていくよ」
 腎も言った。
 「うん、おいらもうれしい、これから天気のいい時にはここで寝ることにするよ」
 「ああ、そうしてくれよ、これからは、八本頭の網笠茸のそばで寝てくれよ、そうすると、天狗さんが助かるよ」
 「ウン、天狗さんが喜ぶならね」
 天狗がうんうんとうなり始めた。
 「どうしたの」
 「陣痛、それじゃ、私は八山神社に行くから出て行くよ、本当に世話になった、白さん、腎さん、これからも天狗のためによろしくお願いします」
 「よかったね」
 白と腎が天狗に返事をしている。
 天狗がお腹を抱えて八本頭の網笠茸をでていった。
 「いい卵を産みなさいよ」
 「ありがとう」
 天狗はあわてて、走って神社に向かった。
 白と腎も消えていったようだ。
 網笠茸の中も暗くなって来た。
 やがて真っ暗になった。
 網笠茸の脇に何かがやってきた。そいつは、吾の入った八本頭の網笠茸をかじりとってくわえた。
 臭い息をしている。こりゃ、狢だ。
 「こら、どこに連れて行く」
 狢が首を振った。お陰で、吾は目を回して気を失った。

網笠茸-幻想私小説2

網笠茸-幻想私小説2

高尾山に生えている網笠茸に、小さな生き物が住んでいた。天狗だった。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-12

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