鉄の華
どこまでいこうかな
どこまでいけるだろう
たったひとつの不自由を
拠り所にして
たったひとつの約束の為に
からだを 針の霖雨に晒して
膚を ずたずたに引き裂かれながら
私は その一本一本を溶かしている
私の血液の温度のせいで
もとのかたちには戻れないね
痛がる顔なんてしないよ
そしたらきみが
私を傷つけた事になってしまうから
怯える顔なんてしないよ
そしたらきみとの
不幸を台無しにしてしまうから
怖くないよ 痛くないよ 怯えてもいない
不幸と幸福は同じもので出来てるんだって
馬鹿みたいだね
目的地は決めない 決めなくていいよ
その方が 長く夢を見られるから
天国のような不幸に溺れながら
一輪の 枯れない華を編んであげる
鉄の華