歩いて行く

懐かしい曲を聞いていると
途端に
吸い込まれるかのように
聞いていた頃の景色の中に
自分がいる

あの頃の感じた空気が
一気に私を
包み込む
容赦なく

懐かしいようで
悲しく虚しさも混じる

あの頃に戻りたいようで
戻りたくない

今にたどり着くまでに
どれだけの痛みがあったことか

けれど今が一番でもなく

過去も現在も未来も
それほど変わらないのかも
それほど悪くないのかも

答えなんて出ないまま
歩いて行くのだろう

歩いて行く

歩いて行く

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-25

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