痣月

ひらけた場所に出たときの
空の拡がりには
吸い込まれそうな魔力があって
心にも穴があいてしまう
頭から墜ちていく
逆さまの異界で
そらに空いた穴の匂いがした
その緑色をずっと覚えている

ただ一度きりの奇跡のように
魔性の景色が蘇る
それは愚かな欺瞞のひかり
なにがうつくしいかを決めてしまうほど

痣月

痣月

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-25

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