私と彼の対句法

私と彼の対句法

私と彼は対句法。
背が高くて、背が低くて。
皆にバカにされて、皆に尊敬されて。
ネガティブで、ポジティブで。
泣き虫で、強くって。
無能で、有能で。
近くて、遠くて、
女と男。
そして…


生徒と先生。

私と彼は対句法。

はじまりは好きになるなんて
ありえない、絶対ありえないな、
っておもった。
だって気が強いし、自信家だし、
ちょっぴり怖い。

だけど一年間一緒にいてみると
自分の印象とは少し違っていた。
ちょっぴり怖いけど、困ってる人に
全力で助けの手を差し伸べ、
私達を守ってくれる。

叱る時はちゃんと叱り、
楽しむ時は精一杯楽しめる方法を探し。
生徒の事、ちゃんと見てくれてる。

そんな先生。

そんな先生だからこそ、
私は好きになった。

先生は何か凹む事があると
頭を撫でてくれる。
でもその力が強すぎて髪の毛がグシャグシャになっちゃう。
だけど、その手から優しさが伝わってきて。
私は凄く安心する。
それはどの生徒でもそうする訳で。
私が"特別"って事じゃない。


先生。

誰にでも優しい貴方が好きで、

誰にでも優しい貴方が嫌いです。






先生はいつもと変わらない表情で授業を進める。

私と彼の対句法

私と彼の対句法

「放っておくとすぐボロボロになって帰ってくる…」 そういいながら私を抱き締めた腕の力を強める。 先生の胸に耳を寄せると、顔とは裏腹に心臓はうるさく鼓動を刻んでいた。 「先生…」 「もう何処にも行かない。お前とずっと居たい。何があっても。」 叶わない恋愛なんてない。 今私はそう思う。 私達は近づき過ぎてしまった。 貴方はそんな恋愛した事ありますか?

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-24

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