「消しゴムⅠ-Ⅱ」

次の朝:「ぅん・・・」
朝は寝起きが辛い
これから寒くなっていく10月、俺は部屋から出た
廊下はひんやり冷たい
昼間は暑くても、朝は寒い
リビングに入る
誰もいない
親は、どうやら今日帰ってきてないらしい
時計を見た
6時52分12秒13秒14・・・
だいたいこのぐらいに俺はおきる
「ご飯作らんと・・」
ボソッとひとりごとを言い、ご飯を作ることにした。
食パンにマーガリンをぬり
オーブントースターで焼く
冷蔵庫から牛乳と卵、ベーコンを取る
そして、フライパンを出す
フライパンを温め、油を引く
卵を割り フライパンに入れる
ベーコンも一緒に入れる・・・・
これが母がいない時にやっていることだ

パンが焼けた
目玉焼き、ベーコンもともに焼けた
それを皿に添える

7時12分・・・
ご飯を食べ終え
学校の私宅をする
部屋に戻りテレビを点け
少しニュースを見る
酷い事件ばかりだ いい事は全然ない
腐りきった世界だ・・・
俺はニュースを見ながらそう思った
そして、クローゼットから制服を取り出した
いつもの事だ
着替えを終え
時間割を確認する
昨日はあんな事があったので、怖くて何もせず寝たのだった。
よく時間割を確認しながら、そろえた
今日は数学があった
「あ、数学のノート・・・ほかのノート使うか。」
昨日の事がありノートがない

7時40分

そろそろ準備を整え 部屋の電気が消えているか確認し
外に出た。
手にはあの消しゴムを持っている
雲ひとつない綺麗な空
待ち合わせ場所にむかう
一緒に学校に行く友達がいる

「おはよー」
俺は元気なく言う
「おはよう、元気ないなぁ」「どうした、熱でもあるのか?」
と、心配そうに言う「秋田」と冗談半分で言う「西本」
秋田は小学校のころに仲良くなって、よく遊んだ仲のよい友達だ
西本は今年クラスで知り合った。クラスのムードメーカーだ
「すごいものを見つけたんだ・・・」 「?」
俺の言う事が秋田たちには分からないようだった。
「ふふ、いや何でもないよ」 「なんだよー」
その後は今、話題の話で盛り上がりながら学校にいった

学校
いつもの毎日が違う気がした
この消しゴムなら、何でも消せる・・・
そう思うだけで、怖いけど おもしろかった。

学校が終わり 放課後
自分は部活をやっていないため、学校が終わればすぐ帰る
西本もそうだった
なのでいつも一緒に帰る

下校途中・・・
「なぁ、」
「ん?どうした」
「いやー」
「なんだよー」
西本は、軽々しいけど、俺は本気だった
「お前、消したい物ってあるか?」
西本は一瞬だが顔が変わった、だが、すぐに戻り言った
「やっぱり、親かな、うっとうしいから、」
やっぱり冗談で言っている
「そうか・・・」
「・・・?」
「・・・何でもないんだ、」
「なんだよ」
西本にホントの事を言っても信じないだろう、
「それじゃあ、じゃあね」
「おう!」
そして、家に帰った

家には、誰もいないが弁当のゴミがある、
母か父が食べに帰ってきたのだろう
そして、ふと思った
ポケットからあの消しゴムを取り出した
弁当のごみに消しゴムを当てた、
その瞬間
音もなくゴミが消えた
「す、すごい!」
あまりの凄さに声が出た
これは、ホントにすごい!!
消える瞬間にハマリ、ゴミ箱からごみを出し机に並べた
ティッシュ、紙くず、ビニール、菓子箱・・・
いろんな物が消えた
俺はそれに感動した。
だが、ふと思った
「人は消えるのかな?・・・」
消えるところを考えるとゾッとした
だが、興味でやりたくなる。
消せる人間なんて無い
よほど死にたい人くらいだろう
そう思い消しゴムを見た
「あれ?」
拾ったときより消しゴムが減っていた
「おかしいなぁ・・・」
消しゴムはこすっていないが、すこし減っていた
消すという感覚が無いからだ
こするというより当てるだけで消えるからだ
そう、不思議に思い、母が帰ってくるのを待ったのだった
                続く

「消しゴムⅠ-Ⅱ」

「消しゴムⅠ-Ⅱ」

消したいものは何ですか?

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted