同情

あおい はる

 群れ。青い花の群生がきみの背中で花弁を散らす頃の血管のあたたかさ。柔く。うなされて目覚めた朝のなにもかも白く染める瞬間に飛んだ意識の狭間で嗤うひとびと。にんげんってみんなかわいそう。そうやって不確かな神さまにばかりすがる誰かが吐き出した毒に潜んでいたのは夢でも希望でもなくただの死んだ細胞。にんげんってみんなかわいそうだね。くそ野郎と罵り踏切をのろのろと通過する電車に舌打ちをするかわいそうなにんげんたち。動物みたいと慈しむ。きみ。

同情

同情

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
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CC BY-NC-ND
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