「アンハッピーオールドイヤー」
カレンダーを…めくる?今日は何月何日だ?
*
「もう数日で今年も終わりですね〜先輩」
「そうだな」
「心残りはないですか〜?まぁ大晦日だってこーんなに可愛い後輩と過ごせる予定ですし先輩の心残りはゼロですね!」
「なんか毎年この時期になると心残りがなんだとか言ってるな。なんなんだそれは?」
「なんか心残りがあると年越せなさそうな気がしません?」
この会話をしたのはもう何年前だっただろうか、日付感覚がもうあってないようなものなので分からない。まさか本当に年が越せないなんて考えもしなかった。心残りをなくせば次の年に進めるのだろうか?
思いを断ち切れない俺は、今日も額縁の中の可愛い笑顔の彼女に手を合わせる。写真の隣には彼女に渡すことの叶わなかった美しい婚約指輪が光っている。
「アンハッピーオールドイヤー」
12/31に書いた小説。年末は毎年年越しできない妄想をしている。