バケモノの歌
この世は音で満ち溢れている
ニンゲンも動物たちも植物もただのキカイも
誰もが音を奏でている
誰もが歌を歌っている
誰もが歌を聴いている
その行為に一切の罪はない
それなのに
オレだけは歌うことが許されない
オレの歌を誰も聴いてくれない
オレは誰も襲わないのに
オレはお前らと一緒に歌いたいのに
オレは色んな歌を楽しみたいのに
お前らはオレを恐れる
オレを鎖で繋ぐ
オレを従えようとする
オレを蔑視する
オレを口汚く罵る
オレをバケモノと呼ぶ
ニンゲンも動物たちも植物もただのキカイも
みんな歌を歌っているのに
なぜバケモノは歌えない
オレも歌いたい
たとえお前らが恐怖しても
銃を取り出して殺そうとしても
違う音でオレの音を殺そうとしても
オレは歌う
周りと違うから何だというんだ
他人の意志を否定する権利など
ましてや抑圧する権利など
誰にもない
自分の意志は自分しか決められないのだ
自分の道はいくらでも自分で変えられるのだ
自分を信じずに誰を信じるというのだ
先が分からないのは当たり前だ
自分の信じた道を進めば
いつかわかってくれる日がくるのだ
オマエだけが歩いてきた軌跡が
オマエだけが持っている音が
オマエだけが歌ってきた歌が
バケモノの歌