ギルティパレード
『昔々あるところにとても豊かな国がありました
豊かな国は食べ物も資源もお金も何もかも豊かで
国民たちは毎日パレードを行い天国のような生活を送っていました
ある日1人の男がこの国の外はどうなっているのか知りたくなり
カメラマンとして外の世界の素晴らしさをみんなに教えようと国を旅立ちました
男は外の世界へ旅立ちある国へ辿り着きました
しかし男はその光景を見て驚愕しました
荒れた土地 腐った食べ物 痩せこけた国民
緑はほとんど見当たらず 水も枯れかけている
この国はとても貧しい国だったのです
国民はこう言います
元は普通の国でした
豊かな国に搾取され続けこの国は貧しくなったのです
あのパレードはこの国を犠牲にして行われていたのです
男は真実を知り衝撃を受けました
そして何より男が絶望したのは
痩せこけた男の子が何の抵抗もせずにハイエナに襲われたのを目撃したことでした
男はそれを写真に収め 国に真実を伝えました
すると国王は
なぜその子供を助けなかったのだ
写真を撮らなければその子供は助けられたのではないのか
その子供はお前が殺したも同然だ
国王がそう言い放ち大衆も次々に男を責め立てました
そして男は翌日大衆の前で処刑されました
男は最後まで涙を流してパレードをやめろと訴え続けていました』
物語はここで終わっている
その国がその後パレードをやめたのかはわからない
ただ一つその国が歴史に残っていない事実から
きっと最後まで大衆は気づかなかったのだろう
自分たちが豊かであるほど犠牲になる誰かがいることを
本当は誰が「ハイエナに襲われる男の子」の事実を作り出してしまったのかを
自分たちの行ったパレードの罪深さを
ギルティパレード