サボテン
かつて私の隣にいたあなたは
今やガラスを一枚隔てた向こう側にいる
いつでもいつまででも出来たあなたとの会話は
今ではたったの15分
あなたが与えてくれたこの手の温もりも
ガラス越しでは何も感じられない
賞賛で溢れた数々の声も
非難と罵詈雑言の嵐に呑まれた
苦しくて苦しくてたまらない
でも私はあなたを信じてる
今の私があるのはあなたのおかげだから
あの子がいるのはあなたのおかげだから
私は信じて待ち続ける
「行ってきます」と言われて
「いってらっしゃい」と返す
「ただいま」と言われて
「おかえり」と返す
そんな当たり前の日々が戻ってくる時を
ガラスが崩れこの呪われた日々が終わる時を
あなたと一緒にサボテンを選んだ日常が戻ってくる時を
サボテン