魅惑のパソコン先生(アーカイブ1)

森下巻々

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定年後の趣味にと、パソコン教室に通っている男性。妻とはお見合い、オンナ遊びもしたことのない六十三歳を、そこで教えているのは美女。或る日、お手伝いしてもらうのは、パソコンの学習ではなくて……。これまで、性の技を知らずに人生を過ごしてきた彼が見せる反応とは。

   *
「一つ質問といいますか、相談にのっていただけますか」
「いいですよ、パソコンに関することですよね?」
 雑居ビルの一室で、ノートパソコンのモニター画面を見ながら、六十三歳の杉作寅雄は猶迷った。
 横の椅子に坐って、杉作を見詰めるパソコン教室講師横井美奈子は美しい。確かこの前、三十歳になったと言っていた彼女には色香が充満しており、上下黒色のパンツ・スーツというキャリア・ウーマン風の姿にもかかわらず、性的魅力を隠せていない。
 杉作は思った。この美しい彼女に向かって、こんな質問をしなければならないとは情けない、と。そして何より、恥ずかしかった。しかし、この場以外に相談できるチャンスはないのだと考え直し、やはり打ち明けることにした。
「そのー、なんですか? 自宅でインターネットをしておりましたら、どうもおかしな操作をしてしまったみたいでですな、お金を払わなならん、とこう出たんですよ。それで、驚いて元に戻そうとしたんですが、どこを押してもそのままで、結局パソコンの電源を切ったんです」
 美奈子は、長い黒髪を右手でかきあげると、
「つまり、インターネットをしてる内に、料金を請求する画面が出て、その表示されているページから移動できなくなったということですね」
「はい」
「会員登録とかしましたか。名前とかクレジットカード番号とか、何か入力したんでしょうか」
「いや、なんにもしとりません」
「パソコンは次、電源を入れたときには元に戻ってたんじゃないですか」
「はい、いつもと変わらん様子でした」
「お金は振り込んでないですよね」
「いや、振り込もうにも、振り込み先をメモせんかったもんで……」
「オーケーです。分かりました」
 少し間ができて、不安を覚えた杉作に美奈子が続けて言った。
「大丈夫ですよ。心配しないで。たぶん、悪徳サイトだったんでしょう。お金を振り込む必要はないし、パソコンだって壊れた訳ではありません」
「うちに請求がこないでしょうか。何やら、そんなことが書いてありましたが」
「個人情報も取られてないから、請求がくることはないですよ」
「ふー、そうですか」
 杉作は安心して息をついた。特に心配していたのが、自宅への請求書の郵送だったからだ。妻に知られては困ると思っていた。こんな話を妻にどうしたらいいのか、想像もできない。
 気が緩んだ彼に、美奈子が言った。
「それにしても……。それにしても、どうしてそんな悪徳サイトに入っちゃったのかしら」
 杉作は、ピクッと躯が動いてしまったのではないかと思うほど動揺した。彼女に相談することを躊躇したのも、そこに触れられるのを恐れたからなのだ。
「それは、そのー……」
「もしかして、こういうことですか」
 美奈子は杉作の右手を掴むと、その手を彼の股間に持っていって歌うように言った。
「シコシコ、シコシコッて……」
 杉作は、美奈子の言っていることの意味を理解し、顔が真っ赤になった。彼女は分かっているのだ。先ほど相談した内容が、杉作がインターネットでポルノ映像を見ようとしていたときに起こったことだと。
 彼が何も応答できずにいると、
「たまってるんですか。奥様とはないんですか」
 ベルトに手を掛けてきた。
「なッ、何を?」
 カチャカチャと音が鳴る。
「恥ずかしい相談を私にしてくれて、嬉しかったです。是非、私の口でスッキリするお手伝いをさせて下さい」
「しッ、しかし、こんな所で……」
 杉作は拒否するようなことを言いながらも、椅子から動くことはない。
 彼女は続ける。
「大丈夫ですよ、誰も来ません。それに、生徒さんが杉作さんだけだなんて、今日だけですよ」
 確かに、今まで数回講習を受けたが、彼のほかに二、三人の生徒のいるのが常だった。今日は、たまたまキャンセルが続いたらしい。
 杉作は無意識に、彼女の行為に協力するように向きを変え、腰を上げていた。
   *
 美奈子は膝を突いた姿勢で、彼のスラックスを足首まで下げると、現れた白いブリーフを撫でるようにした。
「あったかい。熱を感じます。直ぐに冷やしてあげますからね」
 杉作の頭の中は、もう猥褻な場面の想像でいっぱいだった。美奈子の口に自分のペニスが含まれる映像。たまに観るポルノビデオの女優の姿も思い出される。
 彼女は、綺麗に光を反射する爪をもった指を、ブリーフの上で辷らしながら、
「ああ、硬くなってきた」
 杉作は見合い結婚、しかもオンナ遊びもせずにきたから、妻以外の女性を知らなかった。妻の方も、処女での結婚のはずで、結婚当初の夜の営みはぎこちないものだった。勿論、それから三十年以上経っているが、口でする行為なんてしてもらったことがないままだ。今になって妻を抱き、行為をお願いする気にもなれず、杉作にとってそれは、ポルノの中の出来事のはずだった。
 しかし、それが今、現実になろうとしていて、杉作は激しく昂ぶってきたのだった。
「さあ、腰を上げて」
 美奈子の言葉に、おとなしく幼児のように従うと、そそり立ったペニスが現れた。
「ふー」
「まあ、大きい」
 彼女はペニスに手を添えると、尿道口をペロペロと舐め始めた。
 杉作は黙って、彼女を見た。スーッと鼻筋の通った美人顔。薄い唇の間に覗く、可愛らしい白い歯、そして綺麗な舌。
 先を舐められているだけなのに、ペニスの強度は失われず、持続している。
 やがて美奈子が、指先を笠の先端に触れると、
「ほら、やらしいネバネバが出てますよ。こんなに糸を引いて」
 そして、ペニスを咥えた。
 温かかった。杉作の股間に力が入り、ペニスは美奈子の口内でピンと反った。
 彼女は、口をすぼめると上下にピストン運動を開始した。唾液に絡められ、ジュポジュポと音がたった。
「気持ちいいですか
 最近はシコシコばっかりだったんですか
 いつでも出して下さいね」
 美奈子がときどき発する言葉に、全て「はい」と答えながら、杉作は快感を愉しんだ。
 特に彼女がゆっくりと動作し始めたときには、初めて体験する感覚があって、新鮮な驚きをもともなっていた。彼女の頭が引かれるときの、吸い取られるような感覚は大きな悦びだった。
 ムズムズした感覚が始まると、杉作は自然と彼女の頭に手を添えていた。そして、腰が微妙に動いた。
「出そうです」
「うん……」
 彼女は受け入れる反応を見せ、動作をまた速くした。
「ああ、出る」
 杉作は、美奈子の口にペニスを挿入したまま、何度も股間に力を入れた。それは、膣内で射精するのとは、また違った感覚に思えた。
 美奈子は、直ぐに噴出液を飲み込んでしまったようだ。
「先生、飲んだんですか」
「うん。今ティッシュ持ってないもん」
 そう言って、彼女はペニス全体を舐めてくれた。
 杉作は、その一連の反応、行為に感激した。
   *
 二週間後。
 杉作はワクワクした気分で、或る喫茶店に向かっていた。
 この日、彼は美奈子とともに買い物をする約束になっていたのだ。
 先週のパソコン講習のときに、彼女と生徒皆で世間話をしていたところ、孫の話になったのだった。杉作を含め、生徒たちは既に定年を迎え勤めていた先を退社しているが、なんとか生活できており、孫にも恵まれた人たちだった。パソコン学習は、差し迫った必要というより、趣味だった。
 杉作にも、中学生の女の子の孫がいた。嫁に行った長女の子だ。誕生日の日に何かしてあげたいが、何を贈って良いか分からないのだ、と話したのがきっかけで、美奈子と買い物することになったのだ。パソコン教室は、美奈子が経営しているから、生徒との付き合い方も自由に判断されている。
 約束の会話も教室内で行われたし、妻にもそのことを話したので、街中も堂々と歩けるという訳だった。
 妻は、まさか自分の夫がパソコン教室の先生に射精のお手伝いをしてもらったとは、考えてもいないだろう。それを思うと、杉作は背徳感に躯が熱くなった。
 喫茶店に到着すると、角の席に美奈子が坐っていた。
「すみません。お世話になる者が遅れてしまって」
 美奈子は手で制止するようにすると、
「いいえ、私が早く来過ぎてしまったんです」
 青年が初めて就職面接するかのように急に緊張してきた杉作は、席に着くと水を一杯飲んだ。彼女が続ける。
「早速なんですけど、ここを出ましょう」
 今日の美奈子は、Gパン生地のスカートとジャンパーを着ていて、いつもと違う雰囲気である。脚がセクシーだ。
 それに、白色の生地に覆われた胸が大きく膨らんでいる。普段のブラウスやスーツでは隠されてしまっているのだろうか。案外巨乳(ボイン)なのかも知れない。
 喫茶店を出ると、彼女に付いて歩いた。
「いろいろ考えたんですけど、やっぱりお孫さんには音楽CDくらいが、ちょうどいいんじゃないかと思います。音楽の話をなさるって、おっしゃってましたものね」
「はい、それはそうです。ですが、何を言ってるのか訳が分からないんで。音楽で踊ってるらしいんですが……」
「話の感じからすると、たぶん、EDMッていう音楽だと思うんです。お孫さん、オマセですね」
「ED……」
 杉作は顔を赤くした。少しでも性的なことを思うと、反応してしまうのだ。
「うふ。EDじゃなくて、EDMです。簡単に言うと、コンピューター等で作ったダンスの音楽です」
「音楽もコンピューターですか」
「ええ、そう。まあ、大丈夫ですよ。私も好きだから」
 レコード販売店での買い物は直ぐに終わった。美奈子が、いろいろな曲の入っているCDを選んでくれたから。
 杉作は、短い時間でもデート気分を満喫した。茶色い髪をした若者たちが、美人の美奈子の方を意識しているのが分かるから、優越感のようなものさえ感じることができた。
 加えて、或る意味で嬉しかったのは、店を出るときのアクシデントだ。
 美奈子の方が先に扉を出たところ、或る男が待っていた。年齢は、彼女より少し上かも知れない。
「おい、美奈子。今度は、そんなジジイを相手にしてるのか!」
「ちょっとね、失礼な言い方やめてよ……」
 彼女はそう言って、一呼吸置くと、
「そうよ。こちらが大好きなダーリンよ」
 杉作を引き寄せると、頬にキスをした。
「チッ!」
 相手の男は舌打ちして、レコード販売店に入っていった。
「どなたですか」
 杉作は頬に手を遣りながら訊いた。
「ああ、あの人、前から私に言い寄ってきて困ってたの。これで、あきらめてくれるといいんだけど」
 そして、
「杉作さん、私の部屋に来ませんか。お茶、飲んでいって下さいよ」
「でも、いいんですか、本当に」
「いいの。いいの。今のお礼です。ダーリン!」
 おどけるように言った彼女の笑顔は、とても眩しく、自分が選ばれた人間のように思えて誇らしかった。
   *
 タクシーを拾い、到着した先は住宅街の中にあるアパートだった。それは偶然にも、杉作の孫家族の住所に近い所だった。ここから歩いて行ける距離に、杉作も行ったことのある、大きな公園があるはずだ。
 アパートの桃色の外壁は綺麗で、まだ新しい建物に見える。そのいくつか並んでいるドアの一つを美奈子が開け、杉作を招き入れた。
 四畳半とは言わないが、部屋一つを思い描いていた杉作には意外なほど広かった。
 入って直ぐが台所、そして風呂・トイレのドアの横を通ると、一室目、そして更に奥にもう一室あった。引き戸の間からベッドが見えている。
 敷物やクッションなど、部屋の中は薄い桃色の物に満たされていて、若い女性の甘いにおいがするかのようだ。
「綺麗にしてますね」
「それはそうですよ。まだ、嫁入り前ですよ。自分を磨いておかなきゃ」
「そうか、独身か……」
 杉作は、美人の美奈子が独り身であることに疑問を抱いた。これまで、当たり前のように接してきたのだが。
「日本茶がいいですか。それとも紅茶? コーヒー?」
「えーと、どうしましょうか。先生は、何がお好きなんですか」
「私は紅茶……」
「それでは、紅茶をお願いいたします」
「オーケー。でも、その先生ッていうの教室の外ではやめましょうよ。美奈子ッて呼んで下さい」
 杉作は照れて、
「美奈子さん」
「そうよ。ダーリン」
 彼は、中学生の頃の初恋を思い出した。確かあの頃もこんな気持ちだった、と。
 杉作は、とても幸せな気分で、紅茶を愉しんだ。
   *
「……それじゃあ、奥様とはお見合いなんですね。ずっと、奥様一筋で……」
「つまらない男ですよ」
「私がお茶に誘った気持ちにも気づけないほどにですか」
「え?」
 美奈子が手を伸ばし、その指が杉作の唇に向かった。
 指は歯に触れ、唇の内側をなぞり、唾液にまみれる。彼女は、その指を自分の口に持っていくとそれをしゃぶるようにした。
「おいしいわ……。ベッドにいきませんか」
「しかし、あなた。美奈子さんにもいい人がいるんじゃありませんか」
 美奈子は首を横に振る。
「いません」
「本当に?」
「私とは嫌ですか」
「そんなことありません。こんなに美しい方だから疑問に思っただけです」
「有難う、ダーリン。さあ、こっちの方に来て」
 奥のベッドへと誘う彼女に、杉作は言った。
「風呂に入らなくてもいいんですか」
「うん? お風呂? 後で入りましょうよ。私、オジサマのにおいが大好きなんです」
 美奈子は、杉作の衣服を脱がしベッドに坐らせると、自身も手早く全裸になった。
 そして、彼の横に、並ぶようにして坐った。
 彼女の方から、キスをしてきた。
 杉作の口内に、彼女の濡れた舌が進入してくる。
 彼も負けじと舌を動かした。
 しかし、妻にこんなにも積極的に舌を動かされたことのなかった杉作は、まるで童貞だ。
 柔らかく甘美な感触に、躯が融けてしまいそうである。
「あッ、はあ」
「どうしたんですか」
「力が抜けそうで……」
「私もよ」
 杉作は、夢中で舌を動かし、また相手の唾液を吸うようにした。
 口を離すと、抱き合った。
「いいにおい……」
 美奈子が首筋に鼻を付けて言った。
 彼女の巨乳が胸に当たり快い。妻はここまで大きくはないから、どんな感じかと手を入れて触ってみる。
 軟らかい。
「おっぱい、好きですか」
「はい」
 杉作は彼女を寝かせると、巨乳にむしゃぶりついた。まるで、計算されて作られたように美しいバランスで、乳首と乳輪がついている。
 乳首を舌で弄ぶと、硬くなった。美奈子が声を漏らす。
「ああ」
 先生が感じている! 自分が感じさせているのだと思うと、彼の自尊心が満たされていった。
 やがて、美奈子が両手で杉作の顔を持ち上げ、キスをすると言った。
「次は、私の番です」
 仰向けに寝かせた彼の乳首を、彼女は舐め始めた。手はペニスを握っている。既に勃起状態だ。
 更に美奈子の舌は、だんだんと下半身に向かっていく。
 杉作は、されるがままだ。
「今度は四つん這いになって」
 始め、お臀を突き出す形になった彼に、後ろから手を伸ばしてペニスをしごいていた彼女が、それをやめた。
 彼が首を回して後ろを見た瞬間だった。お臀の穴に快感が走った。
「あーッ、何を?」
「気持ちいいですか」
「せんッ、いや、美奈子さん。きたないですよ。」
「全然。とっても綺麗ですよ」
 確かに、ポルノ小説などでお臀の穴を舐める描写を見たことはあったように思うが、杉作はそれを飽くまで娯楽のための作り話と考えていた。
 それが、実際にこんな風に快いとは意外だった……。このままでずっといたいような心地だ。
「とても、いい気持ちです」
 杉作がそう言うと、美奈子が言った。
「有難う。でも、私、もうしたくなっちゃった。濡れてるみたい」
 仰向けに準備した彼女の股間にペニスを当てると、なるほど、既にヌルヌルとしていた。
「入れますよ」
「いいわ」
 杉作が腰を突き出すようにすると、ペニスは辷るようにして入っていった。
 内部の温度を、彼は新鮮な気持ちで感じた。
 動作すると、美奈子が声を上げた。
「うん、うん、うん」
 彼女が両手を伸ばして、キスを求めてくる。
 二人は、また、舌と舌を絡ませる。
 股間同士は結合したまま。
「あー、気持ちいい。杉作さんに出遭えて良かった」
「俺もだ。美奈子さん」
 杉作が射精が近いのを感じ、引き抜くと、彼女は四つん這いになった。
「後ろから突いてほしいの」
 再び挿入して、激しく腰を動かした。
「あーッ、いく、いく、いく、いく」
 声を裏返す美奈子の後ろで、
「俺もだ。出すよ」
「あー」
 杉作は美奈子の内部で、音を立てるかのような感覚を覚えながら射精した。こんなにも達成感のあるセックスは初めてだった。
 美奈子は崩れながら、
「す、凄い。こんなの初めてかも……」
   *
 二人は、一緒にシャワーを浴びた。女性と一緒に浴室に入るのも杉作は初めてだから、嬉しかった。
 タクシーを呼び、自宅まで送るという美奈子の好意を断って、杉作は歩いた。
 公園まで行ければ、多少は見知った土地なのだ。バス停があるのも知っている。
 プレゼントの入ったビニール袋を片手に、すがすがしい気分で彼は歩いた。
 公園に着いたときには、もう、陽が落ちてきていた。
 ベンチに坐り、美奈子の躯つき、匂い、声を思い出す。
「『こんなの初めて』か……」
 独り言を漏らしたときだった。
「あッ! おじいちゃんだ」
 声のする方を見ると孫と、その母である長女が、自転車を引いて立っていた。
「おー、どうした?」
「どうしたは、こっちよ。お父さん」
「そうだよ、おじいちゃん。何、ニヤニヤしてたの?」
 孫の言葉に、杉作はしどろもどろになりながら、
「いや、何、お前たちに会いに来たんだ」
「だったら、直ぐに家に来ればいいのに」
 不思議そうな顔をする長女。
「だから、その。渡したいものがあるんだよ。今度、誕生日でしょう?」
「えー、ホントに? 私にプレゼントなの?」
 孫は喜びの表情を見せた。
「これだよ。お誕生日おめでとう」
 杉作が、レコード販売店で特別に包装してもらった紙袋を、ビニール袋から出して渡すと、
「ねえ、中見てもいい? ……あーッ、CDだあ。なんで分かったの? これ、ホントに欲しかったの!」
「良かったわねえ。こんなに喜んだ顔見たの初めてかも知れないわ」
 杉作は何気なく言葉を発する。
「初めてか……。今日は初めてがいっぱいあるなあ……」
「えッ、何? おじいちゃん、初めてッてどういう意味?」
「いや、なんだ? おじいちゃんがプレゼントするなんて初めてかも知れないなあーッて思ってな」
「お父さん、そんなことないじゃない。まあ、とにかく、有難う。……おじいちゃんに今度、お返ししなきゃ駄目よ」
 孫に言い聞かせる長女を見ながら、どこかくすぐったいような不思議な気分の杉作であった。
   (「魅惑のパソコン先生」おわり)

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官能小説。アーカイブ(2017年1月執筆のものを修整)。

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