この気持ちを言うなれば⑤


『…正直に言うよ…私が好きなのは、キミだよ』


言うつもりのなかった言葉


伝えたいと望んでいた言葉


心の中にしまい込んだ言葉


ずっと、届けたかった言葉



ねぇ


キミは、何を思ってるの?




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返信が遅い。

なんで?

どうやって断ろうとか考えてたりして。

今から

『なんて冗談に決まってるじゃない(笑)』

って言ったら、冗談になるのかな?



そんなメールを打っては、削除した。



キミからのメールを待つ間

ため息ばかりが漏れた。

馬鹿やったかな。

目を閉じるとキミとの少ない思い出が駆け巡ったんだ。

今となっては思い出したくない産物で。

瞼を上げると何故か視界がぼやけて前が見えなかったの。



私、泣いてるんだ…



改めて理解したよ。

私は本当に

キミが好きなんだ

私は今、キミを想って泣いてるの。

この涙はきっとキミしか止めれない。



だから




『多分当分好きな人いらないし、彼女もいらない』



それが、キミの答えですか?




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あのメールのやり取りから数日が経った。


別に私とキミは何も変わってない。

気まぐれにメールを打っては世間話。

冗談を言ったり、真面目な話したり

今日は何をしたとか

出会った頃から何も変わらない




私の、キミに対する気持ちも




何も変わってない



諦めるとか出来なかった。


忘れるとか出来なかった。


他の誰かを好きになろうとする度に、キミを思い出しちゃうの。


思い出なんかに、出来なかった。


まだ…私の真ん中にキミがいるの。


諦め方が、忘れ方が解らないの。


好きになった私が悪いの?


この気持ちは、あってはいけないの?


苦しいよ


まだ、好きなんだよ




この気持ちを言うなれば


雑駁


気持ち、答え、思い、言葉、キミ、記憶、私、、、、


色々な物が絡んで、前に進めない立ち止まった私がいる。





そして、5月―――――


曖昧な気持ちを抱え込んだままの私に


キミを忘れる時がきた

この気持ちを言うなれば⑤

この気持ちを言うなれば⑤

ノンフィクション第6弾!『雑駁』編です。シリーズも終盤に近づいてきました。これは私の恋の話。私の思い出で、辿った道。沢山笑った、泣いた、怒ったし、悩んだ。あの時の私が一番人間らしかった。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-23

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