イートアウト
僕は高鳴る胸をおさえて言葉を繋ぐ。
君はそんな僕をいないかのようにして高い肉を口に運ぶ。
白い歯が呼吸を揺らすたびに見え隠れ、
まばたき一つずつ固くしてぐっと息を呑んだ。
その赤い死体は味がするのかな。
おいしい?
僕の汗と過去を牙で噛みちぎってる
黒いカーディガンの下で肉がぶくぶくと作られている。
やがて僕の血と肉は君のものになる。
知ってた?
その景色を見れないのは少し残念だけども、
胃袋に詰めたものが逆流してこぼれてしまい、
白い皿を頭蓋骨でまっぷたつに割っちゃいそうな
ゆっくりと流し込む暇なんてない。
僕はそれに身を流し委ねるしかない。
言わなくても、本当の本当はわかっている。
深く中へ奥へ中へ
一秒でもいっしょにいられるなんて嬉しい。
その60ぶんの1でも100ぶんのいちでもいいんだけどさ。
君が眠っているあいだ、僕は君のなかに潜り込んでいるよ
イートアウト