イートアウト

僕は高鳴る胸をおさえて言葉を繋ぐ。
君はそんな僕をいないかのようにして高い肉を口に運ぶ。


白い歯が呼吸を揺らすたびに見え隠れ、

まばたき一つずつ固くしてぐっと息を呑んだ。


その赤い死体は味がするのかな。

おいしい?
僕の汗と過去を牙で噛みちぎってる



黒いカーディガンの下で肉がぶくぶくと作られている。

やがて僕の血と肉は君のものになる。

知ってた?
その景色を見れないのは少し残念だけども、


胃袋に詰めたものが逆流してこぼれてしまい、
白い皿を頭蓋骨でまっぷたつに割っちゃいそうな

ゆっくりと流し込む暇なんてない。

僕はそれに身を流し委ねるしかない。


言わなくても、本当の本当はわかっている。
深く中へ奥へ中へ

一秒でもいっしょにいられるなんて嬉しい。
その60ぶんの1でも100ぶんのいちでもいいんだけどさ。


君が眠っているあいだ、僕は君のなかに潜り込んでいるよ

イートアウト

イートアウト

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-03

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