暮れのスケッチ 早川佳希 電線と枯れた木のシルエットの黒は交わって、複雑な迷路でした。ぼくは凪いでいましたが、電柱は、そこはかとなくたたずんでいました。外壁は、もの静かに座っていました。足音は、最後に聴こえてきました。 暮れのスケッチ