無為


本を、読んでいた。
その本は、白紙だった。
長い時間机につき、白紙のページを目で追い、繰っていた。
一度も夢中にはならなかった。

その分厚い白い本を読み終え、閉じたとき
私の頭はまっさらで
顔がなくなっていた

無為

無為

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-02

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