シルエット


目を細める
白…ではない 金色
に 輝いている光の塊
空は薄く青い
雲は薄くまばらに広がっている
((これが風のかたち というように))
濃い緑色のはずの林の表面が
ちょうどいま収穫間近の田んぼのように
ほとんど黄色に まるで光っている

いつのまにか(一体、この時点まではどうしていたのか)
木々は夜のように青ざめている
空は寒々しく しゅんとしている
そびえる電柱 立つ木 遠くの山 家々… は
淡い水色と ほとんど白に近いような淡いオレンジ色の
グラデーションの空を背景に
シルエットになっている
いや まるで影そのものに

ぼくは それに見とれている
どうしてか まぶたの力がぬけている
いま この空を背にすれば
ぼくはこれらと等しく
ひとつのシルエット

この、静けさ…の中に誰も
虫も 風さえも
いないままで
この一時を そっとしておいてくれ

シルエット

シルエット

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-02

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