紺の静寂


私は湖
沈める
木を月を雲を沈める
会話を人人を流れを沈める
絵を書物を西日を沈める
私は待つ
風が止むのを 風
なんて私には
どうしようもないのでただ
待つ

あ  凪

それから
浮かびあがってくる
音もなく なにか
私はそれを見つめる
どこを見るでもない眼差しで
まぬけな顔で

あ  風

紺の静寂

紺の静寂

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-02

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