羽虫


机につき
本を読んでいた
ふと
顔をあげると
窓の外側に 虫が


雨の日
結露しかけのもやがかった窓に
羽虫

そいつは上に登っている途中だったが
少しして、止まった
私に気付いたのか と思った
飛びたつのを期待して、ほんの少しみた が
また本に目を落とした

あっというまに 忘れていた
数十秒?一分ほどか
また顔をあげると
いなくなっていた
飛んでいったのか
そういえば いまこのとき
雨はやんでいるようにみえる

それからまた
雨は降りだした

羽虫

羽虫

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-02

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