まぼろし
ぼくは
きみが来なければ なにもできないのか?
なにも…
この手が 頭が 動いているはずなのに
それは! 自分ではないような気がして
自分そのものなのかよく分からなくなるのだ
ここにぼくがいなくなればいなくなるほど
薄まっていけばいくほど
ここからぼくがでていけばでていくほど
きみはやってくる…
そしたら
ぼくは きみを放っておいて
そのままにしていなければならない
ぼくがそれを意識してしまったらきみは
消える
残像を残して
それから その残像をたぐりよせたって
そこにはなにもないのだ
まぼろし