まぼろし


ぼくは
きみが来なければ なにもできないのか?
なにも…

この手が 頭が 動いているはずなのに
それは! 自分ではないような気がして
自分そのものなのかよく分からなくなるのだ

ここにぼくがいなくなればいなくなるほど
薄まっていけばいくほど
ここからぼくがでていけばでていくほど
きみはやってくる…
そしたら
ぼくは きみを放っておいて
そのままにしていなければならない
ぼくがそれを意識してしまったらきみは
消える
残像を残して

それから その残像をたぐりよせたって
そこにはなにもないのだ

まぼろし

まぼろし

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-02

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