誰が求めた愛の形

誰が求めた愛の形
彼が求めた愛の形

ある話をしよう
噛みついて噛みつかれたかったんだって
だけどそれは空虚な
川に浮かぶお月様みたいな
存在するかもわからない実物を見上げるような
そんな叶わないことだったんだって
それをきちんと悟っていた
それなのにどうして、いや、だからこそか
倫理を捨てて
華をふりまいて
消えちゃったのか

ある話をしよう
触れたくて触れられたくないフリをしたんだって
だけどそれは怖がり
夢に出るほど愛着が湧き
悲しみから目をそらすから裏返るしゃくり
あんなの言わなきゃよかったって泣いてるんだって
あんたが悪いと叩いても
あんなことやこんなこと、消えない、痛い
気持ちを捨てて
音をふりまいて
都合のいいことしか嫌

誰が求めた愛の形
彼らが求めた愛の形

私が求める愛の形
そんなものは自分では語れないので
人のことしか言えないな
ごめんね

誰が求めた愛の形

誰が求めた愛の形

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-01-28

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