延命の花壇
種を蒔いていた
そこが何処なのかもわからず
何故そこを選んだのかもわからず
いつからそうしていたのかもわからず
何かに憑かれたように、僕は
種を蒔いていた 死んだ目をして
どこに蒔いたかもわからないほど、僕は
同じ動作を繰り返していた 何かの義務みたいに
来る日も来る日も
来る日も来る日も来る日も来る日も
譬えようのない 野晒しの憂鬱を
僕は喰い散らかしていた 死んだ目をして
そして明くる朝、僕は披露する
一切を棄てた顔をしながら
観客一人いない舞台に立って
取り返しのつかない自分の
麻酔の効かない重症ぶりを
延命の花壇