水曜日郵便局
健やかに暮らしていますか
どうかご自愛ください
少しずつ日は長くなって
眠りから覚める季節のようです
宛名のない手紙は水曜日へとつながった
あなたはどんな姿をしているの
雨に打たれ 風に吹かれ
嵐の中をただ渡っていく
知らない人の群れの中で
知らないあなたにただ渡しに行く
つたない文字だけが知っているの
つつがなくお過ごしでしょうか
風邪などひかれてはいませんか
朝晩も徐々に冷え込んで
街路の銀杏も黄に染まって
布団から出るのもつらくなりました
そんな些細な記憶が水曜日へとつながった
あなたはどんな景色を見ているの
海の向こうへ 遥か彼方へ
エピソードだけが広がっていく
知らない人の思い出の中へ
知らないあなたのその中へ
つたない文字だけが知っているの
言葉の先にぬくもりがあるのを
たった一度だけつなぎとめるの
この手紙を読み終えるまでは
水曜日郵便局