クワイエット
眠りの隙間に落ちる名無し星
傘もささずにそれに打たれる夜
七竃が風に揺れていた
あなたはまだ何も、何も。
針で刺した小指の先
でたらめな誓い
夜を駆けるあの汽車に乗って
僕らはまた夢際で逢うだろう
灰を落とした 煙とまざって
この痛みは僕が生きる証になる
夜を撫でるあなたの柔く白い手が
濡れそぼった袖の間から
美しさにとらわれ呼吸さえ忘れた
静寂をまとう女よ
顔を隠した夜の帳
かすかな溜め息
細い首を少し伸ばして
彼方の朝を待ち焦がれているのか
外套に手を埋め ぼんやりと
あなたはまだ何も、何も。
夜を駆けるあの汽車に乗って
僕らはまた夢際で逢うだろう
灰を落とした 煙とまざって
この痛みは僕ら、生きた証になる
クワイエット