forgive

ねえ、ママ
おやすみのうたを歌って
今日も美しい声で

ねえ、パパ
いのちの営みを
生きるその理由を教えて

朝がやってきてやっと眠れるだなんて
そんなかなしいことはないね
いのちを呪った夜がめぐりめぐって
今につながっている

おはよう、おやすみ、ごめんなさい
いくつも言葉を覚えてはきたけど
でも誰とも分かり合えなかった

許せない人の前で笑ってしまった
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見知らぬ人の書いた活字の海で
たやすく傷を癒していた
分かち合うほど大きくもないのだろう
もうすぐ忘れられるよ

愛せなくても
笑ってなくても

血を流しても
死んでしまっても

恥じることはないよ
ぼくたちは生きる機能に守られて
仕組みに生かされているだけ

覚めない夢を見続けようよ
ほら、足音は軽やかに
響いていく

ねえ、ママ
おやすみのうたを歌って
明日もすこやかな目覚めを

ねえ、パパ
いのちの営みを
生きるよろこびを

forgive

forgive

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-01-25

Copyrighted
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