明日(みらい)の私

ヤリクリー

注意事項
・米印はト書きです。読まないでください。
・カッコ内は読んでください。
・この作品は、男性1人と女性2人の合計3人の声劇です。

明日(みらい)の私

〔登場人物〕
・田神朱里(たがみあかり/♀)…あだ名、みょん。
・佐野由衣(さのゆい/♀)
・真島啓介(ましまけいすけ/♂)
(※N:ナレーション)


田神(N):今、私は未来の自分に言えることがある。今後の私に大切なこと、起こり得るイベント。何もかも。


(※回想シーン)

佐野:みょんみょん!こっちこっち!

田神:ちょ、ゆ、ゆい~。ちょっと待ってよぉ~。

まだイベント開始まで2時間もあるじゃ~ん…。(※息せいています)

佐野:早く並ばないと、推しの先行限定グッズもらえないよ?

田神:だからと言ってそれはないじゃん。

…まぁ、何とかもらえそうな位置に並べたけど。

佐野:ドキドキ♪ワクワク♪


田神(N):この時、私たちはまだ高校生。好きなアニメやゲームのイベントに通う、どこにでもいそうなティーンエイジャー。文武両道。そこそこ成績もよかった。

…この日を境に、そんな元気なティーンエイジャー(私)ではなくなる。

佐野:あ~、楽しかった!劇も感動しちゃったし、コラボメニューも食べられたし、グッズもたくさん買い込んで!

田神:ゲーセンでプリクラなんて、今月で何回目?

かなり課金していると思うわよ。

佐野:楽しいからOK♪

田神:そんなので済ませられるメンタル、私も欲しいくらいだわ。


田神(N):夕暮れが街を包む中、私たち2人は近くの河川敷を散歩していた。
バーンアウトした身体を引きずりながら。

“最期(終わり)をも迎えることとなった。”


佐野:早く帰って、買ったグッズをじっくり鑑賞しないとね。
らんららん♪らんららん♪

“らんr…”(※バタッ)

田神:由衣?

由衣?!由衣??!!

佐野:…。

田神:由衣!由衣ってば!!

ねぇ!!由衣!!!


真島:?!

どうしました??!!

田神:由衣が…、由衣が!!

真島:(人命救助か…。
四の五の言ってらんないな。)

わかりました。
“貴女は救急車を呼んで、もっと人を集めてください。可能であれば、AEDも探してください!”

田神:…は、はい!!

真島:由衣さんの事は、私に任せて!!!


田神(N):後で伺ったところ、彼の名前は“真島啓介”さん。地元の消防士・レスキュー隊員だそうで。たまたま休みでこのあたりをランニングしていた際すぐに駆け付けて下さったそうです。

真島:…脈があまり感じられない。
早く気道確保と呼吸を楽にさせてあげなければ…。

“頼むッ!早く来てくれッ!このままだと、彼女の命が危ないッ!!”


田神:“お兄さ~ん!!”

AED、ありました!!救急車もあと少しで到着します!!!
人も呼びました!!!

真島:ありがとう!

“あと少しの辛抱だ!!耐えてくれ!!”

田神:由衣!あと少しで助けが来るよ!!

一緒にグッズの話、しよ?


田神(N):それから4分後、救急車が到着。
私と真島さんですぐに連絡先を交換。私は現場に残る事となり、後は真島さんに任せることにしました。


真島:“頼むッ!!”


田神:由衣…。

“由衣…。”


田神(N):月が見え始めた午後6時過ぎ、私は帰宅。由衣の親族に先ほどの状況を伝え、私も家族に一応の報告をしました。

翌日には学校にも連絡を入れましたが、既に“遺族”から話は出ていたようです。

真島:…!!
なんでだ…、なんでなんだ…。

“なんでなんだよォ~~!!!!”(※怒りと苦しみの絶叫)

田神:…はい、はい。

…はい…。

“…。”


真島(N):彼女の容体が悪化したのは、救急車に乗せられてから18時間後のこと。
急激に悪化し、心拍数も秒速で激減。終わりを迎えるのも、時間の問題だった。

死因は、“過労”。
何故女子高校生の彼女がそうなったのかというと、実は、彼女はアルバイトをしていたらしく、平日は毎日のようにしていたそうだ。休日も2週に1度は入れられていたようで、趣味のために酷使をしていたようだった。耐えられなくなり、推しのキャラクターの許(もと)へと旅に出かけてしまった。


田神:…ぐすん。(※泣いています)

真島:…。

“本当に、本当に申し訳ありません。

…こんな私が、レスキュー隊員である私が若い女性の命をも救ってやれず…。”

田神:…。

真島:…。

田神:…ありがとうございます。

真島:…?

田神:…由衣のために、私の大切な知人のために全力で助けていただいて、ありがとうございます。

…私の方が、もっと早く彼女に突っ込んでおけば。気にしていれば…。

真島:…いえいえ。
レスキュー隊員である私の責任です。ご協力、ありがとうございました。

“助けてやれない人命(いのち)があるのも、これまた事実。”
私のせいなのです…。

田神:真島さん…。

真島:ご協力、ありがとうございました。
(※敬礼をしています。)


(※回想終了)


田神(N):今、私は大学を卒業し消防士として・レスキュー隊員として専門の学校に通い、あの時の思いを皆さんにしてほしくないように尽力していきます。

“明日(未来)の私へ。貴女は、レスキュー隊員の一人として、水辺や山での人命救助を行うこととなります。
大切な知人であった由衣のためにも、子供たちの憧れになれるよう頑張ってください。”

明日(みらい)の私

訂正情報
・1月27日(水) 本文の一部を修正
・1月29日(金) 本文の一部を修正

明日(みらい)の私

子供の頃、消防士に憧れる・カッコイイと思ったことは一度はあるでしょう。かく言う私もその一人。 しかし、現実はそう甘くはありません。苦しみとの葛藤なのです…。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-01-18

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