たぬきの恋。2

            (たぬき屋・・・ねぇ・・・)


      僕は、あの後ずっとずっとたぬき屋のことで頭がいっぱいだった


           (明日にでも寄ってみっかー・・・)



「よっ鈴木!」




「おー竹内おはよー」


「昨日、前田がなーwww」



昨日といえば、僕は昨日たぬきについて調べてみた。


{ずんぐりとした体つきで、足が短く、尾は太い。体色はふつう灰褐色で、目の周りや足は黒っぽくなっている。}



ルックスはこんな感じらしい。



よく、子供向けアニメとかでイラストのたぬきしか想像が付かないが、
                
実はたぬきって二足歩行じゃないんだぜ?



「おい、おーい鈴木ー?聞いてたかー?」



「あーうん、あれだろ?坂口が母ちゃんだと思って話しかけた人が
 実は生き別れの姉ちゃんだったって話だろ、驚きだよな」



「え!?そうなの!?ってか俺が話してたのは前田の話なんすけど!」


「わかってるって」



「わかってねーだろぉおおお!!」



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淡々と1日が終わっていった。



授業中も別に眠くなかったし、弁当んときも何にもなかった
何かあったと言えば、竹内がメガネを無くしたってことくらいかなー・・




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「いやー参ったよーメガネ無くしちまっだー」


「何お前、かいけつ●ロリのイ●シみたいな口調してんだよw」


「あーあったなーそんなアニメ。
 弟がよくアニ●ックスで見てるわ」



「マジかよww洗脳されてんじゃね?w」



「まーじかw やっべーなw」




そんな面白みのない話の途中、あの店を発見した。


「・・・・あ。」




思わず声を出してしまった。


「ん?どした?」



メガネがない竹内は相当周りがぼやけているのか、電柱に話かけている。


「おい、僕はここだぞー」



「知ってるって、お前は鈴木 雅だろ?」



「それは電柱です!!!」


激しくツッコミを入れてしまった。
今回の目的はツッコミなんかじゃない"たぬき屋"だ。


「あー・・・竹内ー」



「あ?」



だからそれは電柱だ!そろそろ気づけ!


「僕、ちょっと用事あるから先帰ってていいぞ?」



「あーそう、じゃあ帰るわ」


「ん」


と、最後の最後まで竹内は僕を電柱だと勘違いして帰っていった。


「・・・さて」



問題はここからだ。


入るor入らない


さぁ、僕ならどっちを取る。


カランカラーン


レトロな鐘(?)の音がした。


「あ、いらっしゃいませー!」


出てきたのは肩くらいまでの少し茶色い感じの髪の毛で、
綺麗な肌をしていて、とっても優しい目をしていた。




「あ、な、なんでもないです・・・っ」


「え?あっちょっと待ってくださいよー!
 お茶でもどうですかー?」




・・・・勢いで逃げてきてしまった。



何やってんだ、僕


 

                          -続く-

たぬきの恋。2

たぬきの恋。2

第2話。 勇気が出ない、でも入りたい。 "くっそー何やってんだ・・・僕・・"

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-04-09

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