祖母と私

佐波柳梅子

 焼き場に運ばれていく祖母を、なんとも言えない気持ちだけれどもわんわん泣きながら
冷たい床に跪いて見送った四月。
 私はおばあちゃん子だった。生まれた時から中一まで一緒に暮らしていた祖母が、何を考えて生活をしていたかなんて
老人施設に入りボケてしまうまで、まともに考えたことなどなかった。祖母はいつもそこにいたから。
 祖母の死によって失われたものはあるのだろうか?祖母の死によって得られたものは、最も身近な一人をなくしたという
経験だけかもしれない。祖母のことをよく知りもしない人からのお悔やみの言葉に私は若干の不快さを覚え、ひとりでにぶつぶつ文句を言った。
他人の身近な人の死についての話もどうでもよかった。
 私は死を望んできた。本気のときも、軽く頭をよぎるときも。
今ですら周りに迷惑さえかからないならばいつ死んでも構わないと思う。
死は悪いことなのだろうか。
 祖母が亡くなった後もいろいろあった。適度に働いたし、稼いだお金で友人たちと音楽を聴きながら朝まで酒を呑んだ。
友人も増え、初めての恋人もできた。たくさんの初めての経験をした。
しかし、未だに私は人との距離感を掴めないままでいて、定期的に憂鬱になって、仕事にも行けなくなって辞めるというルーティーンをこなしていて。
どうしていいのかわからないままとりあえず生活している。
 家族からはわがまま、自己中だと言われるが他人からは優しすぎると言われたりする。
私はわがままなんだと思いつつも、どうしたらわがままでなくなるのか誰も教えてくれない。
ただお前はわがままだと言われてほったらかしだ。わがままで自己中な私をそうでなくする助言をくれないなら、何もいうな。
もっと頑張れというなら、頑張れる方法を教えてくれ。

祖母と私

祖母と私

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
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