中村哲氏に捧ぐ/短歌8種
国々を渡りてめぐる陽のごとく
あまねく光を照らし世を去る
灼熱の昼を生き抜く者たちの
心をいやすこの夜の月
さみしいか 己に問わば笑う陽も
涙の月も我と同じよ
祖国をば離れて暮らす枕辺の
人偲ぶ間もなく明くるこの日々
争いの真っただ中に身をさらし
よしやいずれは召さるるこの身よ
世が世なら 明るい日差しと鳥の声
目覚めるはずの国と人々
人々と 希望を胸に その日まで
共に悲しみ 共に喜び
その一生を、祖国を離れ、危険を顧みず、苦難にさらされた人々の救済に捧げられた、我が同胞の中村哲氏に対し、国民とともに、その類まれなる勇気と、博愛の精神に、心から尊敬と、感謝と、哀悼の意を表します。 (筆者)
中村哲氏に捧ぐ/短歌8種