【超短編小説】学級会

六井 象

 誰もいない放課後の教室で、去年亡くなったはずの先生が、黒板の隅に小さく何かを描いていた。描き終えると先生は、ふっ、とため息をつくように消えていなくなった。何を描いていたのだろうと見てみると、それは地図だった。どうやら先生の墓がある墓地への地図らしい。寂しいんだろうなぁ、と思った。それにしても、わざわざ学校に来たんだから、こんな端っこに小さく描かないで、もっと大きく描けばいいのに。つつましいというか何というか。そういうところ、生前の先生と変わらない。まぁ、いい。とりあえず明日の学級会の議題は、「先生の好物、何だっけ?」だ。

【超短編小説】学級会

【超短編小説】学級会

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-01-11

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