ゆきうさぎ

ゆきうさぎの季節

私はまっしろ ゆきうさぎ

寒い朝 空からやってきた


ふわふわ ふわふわ やわらかいのに

人や車に踏みつけられて

くろく かたく なっていく

私もそうなるのかしら

ふわふわ まっしろで いたかったなあ


そんな私を見つけてくれた

小さな 小さな ご主人


小さなおててと 可愛いおはなが 真っ赤ですよ

手袋もせずに いっしょうけんめい 私を作ってくれた


だから ほら

こんなに綺麗に見つけてもらえた

赤いおめめと 緑のおみみ

ぜんぶ ぜんぶ

あなたがくれた 宝物


でもね

震えるあなたを心配して

おひさまがぽかぽか あたりを包む


ごめんなさい

ずっと一緒にいたかったけれど

ごめんなさい

もう  さよならのとき



次の朝 私を見つけても

どうか ああ どうか

私と同じ 赤いおめめにならないで



しばらくのあいだ ねむるだけ

次に 冷たい風が吹けば

また  あなたに会いにいく



だからね ご主人に ひとつだけわがまま


どうか また


私が やってきたときには



また  まぶしい笑顔で 見つけ出して

ゆきうさぎ

学校で案を考えて、少し脚色。しかし安定しない。

ゆきうさぎ

小さなご主人と ゆきうさぎ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-21

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