ラブソング

どれほどの純度でその(うた)を歌える?
僕は嘘つき

そのときは嘘じゃなかっただとか
言葉を覚えた猿たちが
たくさん横行する交差点

屁理屈こねたお猿さんが
だんだん黄色くなって死んでいく
どうせ燃やす花などを添える
好きだったなどと言う

どれほどの純度でその詩を口にできる?
君は嘘つき

重い透明な言葉しかいらない

本気が本気のつもり部活も筆も喉の振り方も
この世は見せ方が大事らしい
だからそういう風にしている
僕は嘘つき

人真似したお猿さんが
どんどん老化して醜くなってく
どうせ誰も寄り付かなくなる
愛していたなどという

素敵な音楽が流れている
これを信じてもいいですか
いいですよ
自己責任ですが

再生するものがすべて同じだと思うな
それだけ歌っていた

素敵な音楽が流れている
これを信じてもいいですか
いいですよ
明日の形はわからないのだから

ラブソング

ラブソング

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-01-05

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