寒椿

踏切が閉まっている。
タバコだってやめたし、意志は強い方だと思っていた。
午前十時三十分、お正月の空は嘘みたいに晴れて、ああ、今年もいい年になりそうだなあ、なんて思っているうちに。
噴水。は何と交換しているのだろう?
偽らざる気持ちなんてどこにあろう?

ㅤ寒椿氷った水溜りに落ちる
ㅤㅤ蕾のような水音を見る

犬を連れて歩く人とか。
歩くしか能のない俺の足とか。
なかなかに、ギリギリである。

寒椿

寒椿

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-01-03

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