轍の終点

自分が相手のためにしたいと思ったこと

それは自分がしてもらいたかったことと

重なりうることに気づく

相手を信用していないということ

それは自分のことも信用していないということと

重なりうることに気づく

最大のしがらみは他でもない自分自身で

決断を、行動を妨げていたのはつまらない憶測だった

自己否定、自己不信、それが自縛の種だった

人の数だけ正義があり

人の数だけ真実がある

わたしはそのすべてを、受け止めなければならない

そのすべてから目を逸らさず、受け止めなければならない

綺麗事だけではどうにもならない現実も含めて

無知を盾にせず 偏見を翳さずに

裸の目で見つめなければならない、見極めなければならない

想像を絶やすな、と声が聞こえる。わたしにはわかる。いや、わたしにしかわからない。

それは紛れもなく自分の声だ。

轍の終点

轍の終点

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-22

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