わたしたちがふたりきりで過ごす
さいごの夜の お月さまよ
いっしょに逃げてください
しののめ色の片空に
陰惨な朝が もうじききます
ああ いまはまだ夜
もろく 純白な
しあわせの夜
しあわせなわたしたちは
しあわせをしあわせだと
わかっていたはずです
だからいまのうちに
白粉花がしぼむまえに
その純白が失われるまえに
ふしあわせが訪れるまえに
みずから
終わらせなければなりません

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-20

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted