先祖返りについて

先祖返りについて

あかぎれが増えるから冬大好き。唯一無二、譲れない自分の肉体が、きゅっといとおしい。カップ麺の生噛り。年末年始は全部、赤い血と白の対比でできている。どうか見失わないでほしい。夜、点滅していくあいだに全集中の過呼吸。マジでふざけんな。
ぼくたちの繰り返す系開眼。倦怠期系万物流転。寒さに蒸発して、もう天使のことしか頭になかった。礼儀作法のなっていない殺人衝動にぱちぱち瞬きして、通り魔になりたいな、でも安定してる公務員の方がいいかな、って。吐息でかすかに街が震えた。やがて笛になれば、音より震えが重視された。子どもたちは行進して、童話になったりして、行く当てがないからいなくなったんだよ、朝を越えて、夜を越えて、羊水を吐き出して、胎盤を踏みつけて。反復する系アヴァターラ。西も東もわからないくらいに迷惑してるよ。反駁してやるよ。羊飼いも学者も歩け歩け。オシリスだかアヌビスだか知らないけど歩け歩け。世界はただ一点に収束してから両手のひらの間で血まみれになって惨殺されるよ。もちろんぼくの計画通りに。

先祖返りについて

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全集中の過呼吸。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-18

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