屋根の上から

その少女は飛び降りて死んだのだ
忘れないで、と言い遺して

どこもかしこも思い出ばかりで
いまだ在りし日の残像が尾を曳いている
まるで彼女がまだ生きているみたいに

すべてがつつがなく溢れるように
世界は再構築された

きっと彼女は抜け道をみつけたのだ
故に孤独ではないのだろう
空を誦じる者は、宇宙を嘯くことになるのだから

屋根の上から

屋根の上から

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-18

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