起承おわり

 なけなしの小石を持って這い出して、ちょうどいい具合の坂を探して
 でもどこもかしこも埋まってる 誰かが先に投げた小石で埋まってる
 仕方ないので捨てました なけなしの小石をすべて捨てました

 気づかんうちに腐蝕した「意外さ」が山のように積み重なって
 もう何も見えねえや もう何も見えねえや
 私はここまでです あとはあなた方が勝手にどうぞ

 (落ちたって結ばれることはないのです 笑ったってそれは私ではないのです
  どこかへ行けた気になっていますか? どこかへ行けた気になっていますか?
  飛べますか? 飛べますか? やっぱり飛べませんか?)

 新鮮な野菜を吐き出して、腐った生魚ばかり食い荒らして
 もう豚の餌にしか見えねえんだ もう豚の餌にしか見えねえんだ
 私はここまでです あとはあなた方が勝手にどうぞ

 (落ちたって結ばれることはないのです 笑ったってそれは私ではないのです
 どこへも行けませんでしたか? どこへも行けませんでしたか?
 潜りますか? 潜りますか? どこまで潜りますか?)

 もう私は知りません あとはあなた方が勝手にどうぞ

起承おわり

起承おわり

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-17

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