換気について

換気について

飛び降りるなら飛び降りるとはっきり言ってくれればよかったのに。前後関係はいまだによくわからないまま明け方の氷雨の中に落下していった。音はなくて、色もなくて、主語もなくて、重力加速度だけがあるけど、地球そのものといっしょに月の向こうへと落下しているからコリオリの力だけが働いている(?)。回転速度が上がっている。原型をとどめていない系空気。胸板を全方向から圧迫して、呼吸器だけは弱い者いじめなんて、そりゃないぜ。
とんでもないものを見たかもしれない。ラピッドアイズムーブメント。過呼吸の中身はやはり空洞。実体うざったいって感じの祈りだった。咳の中身とか、胸板の裏の換気とかっていつもこんな感じなんだろうか。もぎれるからおびえる。骨があるのにグロでなめらかな人体と、解脱してはじめてわかる月面の価値。うまいチーズだけを搾取しないと寝れない夜に、ぼくはゆっくりと自殺します。フェリスホイール越しに万華鏡みたくフェリスホイールばかりが満開。表層だけは絶望しようよ。表層だけは、さ。

換気について

換気について

地球そのものといっしょに月の向こうへと落下しているからコリオリの力だけが働いている(?)。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-14

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