星の山に出かけたら
楠伊万里はとぼとぼと道を歩いていた。冗談じゃないよ。なんで私がこんな目に遭わなきゃなんないんだよ。すべては奴の、沙綾のせいだ。
ちょっとかわいいからって、ちょっとスポーツができるからって、いばってんじゃねえよ。
『いまりちゃぁーん♡あのさぁ、ちょっと宿題かわりにやってくんなぁ—い♡?』
宿題というのは理科のヤロー(中崎利香という理科講師。超嫌われ者のイラチである)がだしたもので、
今日は金曜日ですね。土日は学校がなくてもちゃんと勉強しましょうね。なので今の単元の 地層と岩石 の発表会を今度しますが、その範囲の教科書を丸暗記してくださいね。あと、一人一つ岩石をとってきましょう。郊外の星野山などにたくさんあるはずですよ。
とかなんとかいうものだ。
じぶんでやれっつーの。
『だってえ、いまりちゃんのほうがほしのやまにちかいでしょ♡おねがい。』
とかいってたけど、五十歩百歩じゃねーかよ。
みんなあいつには男子がついてるから、逆らえないんだよな。
あたしにも、もっと力があれば、被害受けてる女子代表として言い返してやれるんだけどな。
そう思った時、真っ暗な道の先に、きらっと光るものが見えた。
あれ、何.....?
星の山に出かけたら