ポグロムについて
ポグロムについて
はてしなくどこまでも究極の永遠に愛することができなくて、ピアノのファの音だけは「ふぁー」って続いていて、きみに与えたはずの幸福を奪い返しにいかないとまずいって気づいたものの、午前二時に押しかけて強盗するのも気が引ける。結局のところ、世の十三歳がみなそうであるようにぼくもまた臆病なのだ。アリオリハベリイマソカリ! ローマ数字たちが泣いた。
星座を引き裂いて拒絶。
怨恨の情が夜空を穿って、プレアデスの光を落とす。無心になってながめてみる。かつてあんなところから地上へ落ちてきた報いとして。後輩はみな、炭素のかたまりになりたがっていた。天使たちがアスファルトから湧いてくる前に逃げろ。冬は天上でぐるぐる回って、夜のサドが透けて見えた。まったくどうして、こうにも、からだが……動かない……んだ……。振り返って新境地。なつかしのポグロム。何時ぞやの昴宿。ピアノと残虐。ぼくらは完成されないまま、かなしみの極限に生まれようとしていた。
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