ラフターズ

僕ら無傷だった頃には戻れないね

言葉なんて知りたくなかったと零す君は

詩なんて書かなきゃよかったと笑う君は

世界で一番、一番優しい人間だよ

向き合った時間だけ傷が深くなるなんてさ

周りからしたら、まるで好きで傷つきにいってるみたいで可笑しいよな

けど、僕は笑えなかったよ。

笑えないから、僕は笑われにいったんだよ。君を庇うようにね。

僕の突飛な行動に君は茫然としていたけど

君は後から笑ったよな。でもその笑い方は周りと違って

微塵の悪意も含まれていなかった。それは純粋な笑顔だった。

その混じりけのない笑顔に勝手に救われたんだ。馬鹿みたいにね。

無傷だった頃には戻れないけど

これからも傷が増えたり、深くなったりしていくだろうけど

君がいつか姿を消しても、僕は君と、君の言葉と、君に救われた事実を、決して忘れはしない。

ラフターズ

ラフターズ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-09

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