冬のまち
雪が遠のいて
黒いばかりの道が伏している
しずくを払うごとに
どこかからスープの匂い
白檀の匂い
あぁ
そうだった
わたくしは
冬のまちを歩くのが好きだった
たそがれどきから渡された
静かなあたたかさを
胸にしまう
点滅する赤色と
厚い雲で
月も星も見えない夜の
四すみの街燈は
西側だけがオレンジ色だ
冬のまち
雪が遠のいて
黒いばかりの道が伏している
しずくを払うごとに
どこかからスープの匂い
白檀の匂い
あぁ
そうだった
わたくしは
冬のまちを歩くのが好きだった
たそがれどきから渡された
静かなあたたかさを
胸にしまう
点滅する赤色と
厚い雲で
月も星も見えない夜の
四すみの街燈は
西側だけがオレンジ色だ
冬のまち