静穏
忌み暗き愚行。氷の讃歌。上澄みの熱に折れる牙、火薬嘔吐。濡れた静けさ、甘い存在による初めての痕跡。萎縮する稲妻、輝きの共鳴。演劇的な官能、新しい身体との対話、淡い思索、純潔に落ちる眠り、いずれ穏和な蝶へと向かう……。オルゴールに広がる優美な傷の悪夢。片目の情熱。結び目、傷つくこと。毒々しいクリスタルに宿る醜悪な歓喜たち。嫌悪の剣、金色の朝顔、木霊、恨み、金切り声。明朝に膨らむ音楽。再生。圧縮。再生。残された肉体は柔順に……。切なさに霞んだ光の夜明け。浮かぶ光。興奮。荒削りな移植。陰湿で陰険な王宮はいつまでも病みと憐れみに満ちて、きらきら。一人の死……。
静穏