自選短歌 2020年11月
しらじらと時計ばかりが生きている午前三時の小さな酒場
当然のように追い抜く君の背にイメージしている心臓の位置
プレーリードッグはじっと立ち止まり大切なこと思い出したい
この先の一生分の洗濯をまとめてやりたいほど晴れている
偉くないわたしのことが寂しくて時間をかけて家まで帰る
絵のような空だと思うそのままで受け入れるってうまくできない
外伝にちょっと出てくる初恋の少女のための革命だった
ウイルスを滅ぼすときに僕たちを滅ぼすものは誰なんだろう
制服も教科書も捨て飛び出したわたしを阻む仲買人達
炭酸の泡がなくなりかけた頃出会ってしまう運命でした
「レレレ」
みんなから無視されるけど腹巻きのおじさんだけは答えてくれる
自選短歌 2020年11月