焼かれる

 ひかりのうみ。
 しずめた、のは、にくたい。
 渚で、きみはみていた、瞳は、深海の色に染まり、夕暮れの頃の、やさしさを孕んだ街灯が、午后のゆううつをなきものにして。それは、浄化に等しく。いとしさと、いのりが、一緒くたになって、夜を迎える瞬間を、こころまちにしている。ハッピーバースデー。お誕生日ケーキの、ろうそくの火を吹き消すときの感じに、にているかもしれない。冬だから、あたたかいココアが、のみたいねえって、おばあちゃんみたいにいう、しろくまが、ぼくのからだにふれて、きみがにんげんのなかで、いちばん、うつくしいからだをしていると褒められたときのことを、思い出している。
 いつだって、こわいのは、うらぎりと、かんちがい。
 海は、だいたい朝に、まばゆく光る。
 きっと、いきものたちの、めざめ。

焼かれる

焼かれる

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-24

CC BY-NC-ND
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