Turnover Of The Earth
温い血液の中で目を覚ました
煩いほどの静寂は手遅れである事を主張していた
事実、私に出来る事などもう無かった
得体の知れない絶対的な流れに呑まれて、灰になっていく自分を空想した
記号になり、数字になり、そして灰になる
突如として、私は灰から生まれたような気がした
灰から数字になり、そして記号が与えられたような気がした
その無機質な循環は然し、無機質であるが故の優しさがあるように思えた
生憎私には自分が灰だった時の記憶はない
それにいつ数字や記号になったのかも覚えていない
火のように生き、灰のように朽ちるのだと悟った
私という存在は、一体何を象徴していたのだろうか
愚かさ、という言葉が過ぎった
然し、愚かさ無しでは人は善にも悪にもなれないだろうとも思った
私はこの流動的な生を最後の最後で愛おしく思った
私は朦朧とする意識の中、冷めた血液の中で瞼を閉じた
Turnover Of The Earth